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定期借家契約について考察
7 Sep 2000 初版/最終修正日 7 Sep 2000
定期借家とはなんでしょうか?従来の建物賃貸借とどこがどうちがうのでしょうか?未だ一般に普及していませんが、定期借家について基本的な事をお話していきます。
弊社では未だ定期借家契約を扱ったことがありません。これにはいくつか理由がありますが、現在は様子を見ているといったとこが正直なところです。仲介業者から見た疑問点についても触れていきます。
定期借家契約は期間が満了したときに確定的に契約が終了します。一方、従来の賃貸借契約は貸し主に正当事由がないと契約が更新されます。
従来の賃貸借契約は戦前の借家法に基づいており、借家人保護の性格が強くなっています。正当事由による解約制限とは、極論を言えば貸し主側から契約を解約することが事実上不可能に近くなっています。 その弊害として貸し主側から契約の解約を求めた場合に高額の立ち退き料を請求されたり、居座られるという弊害が目立つようになってきています。
定期借家契約の導入にはこういった弊害をなくすという目的もあります。近年賃貸物件のストックが需要を上回ってきたこともこの制度ができた一つの大きな要因でしょう。
定期借家契約と従来型の違いをまとめてみると下記のようになります。
| 定期借家契約 | 従来型の借家契約 | |
|---|---|---|
| 契約方法 | ・公正証書等の書面による契約に限る。 (書面による契約でOK) ・契約書とは別に、あらかじめ書面を交付して説明が必要。 |
書面でも口頭でも可。 |
| 更新の有無 | 期間満了により終了し、更新はない。 | 正当事由がない限り更新。 |
| 中途解約の可否 | 中途解約に関する特約があれば、その定めに従う | |
| 賃貸借期間 | 1年未満の契約も有効。期間の上限は無制限。 | 1年未満の契約は期間の定めのない契約とみなされる。 |
この場合契約更新ではなく、新たに借り主貸し主で再契約を結びます。ですから更新というものはそもそも存在しません。再契約について新たに礼金敷金等について話し合うことになるわけです。
事業用建物または200平米以上の居住用建物の場合は、中途解約を特約化することが可能です。
これに対して200平米未満の居住用建物については、特約がなくとも転勤、療養、その他やむを得ない事情が生じたときは、借り主は申し入れ1ヶ月後に終了させることができます。
これよりも借り主に不利な特約は無効となります。
事業用建物については双方の合意があれば、旧契約を合意解約し新契約を定期借家契約で締結することが可能です。
居住用の建物については、借り主に不利となるおそれがあるため、当分の間切り替えることは認められていません。 この規定については将来見直しされることになっています。
定期借家契約は平成12年3月1日に始まったばかりの新しい制度です。実際の事例が積み重なることにより広く一般に認知されることになるわけですから、不明な点はたくさんあります。
例えば、
従来の賃貸借契約だと、契約を更新する際は更新料1ヶ月分というのが東京では一般的な慣習になっています。業者が更新を仲介する場合の手数料も半月分以内と業界団体で規定されています。
定期借家契約を引き続き再契約する場合の規定や慣習は未だ不確定です。借り主貸し主がある程度従来の賃貸借の内容に慣れている現在、新しい制度が認知されるまでもっと時間が必要でしょう。
先の再契約時にからんだ疑問ですが、いったん契約が終了するわけですから原状回復の問題がからんできます。再契約となれば引き続き居住し続ける訳ですが、いったん居住しながら原状回復を行うのか、退去時まで繰り延べするのか、という疑問があります。
いわゆる店舗賃貸借契約では新規、あるいは更新時に定期借家契約に切り替わっていくでしょう。その際に賃料、保証金、契約期間等は見直されることになると思います。
ちょっと今のところどれくらい普及していくのかはわからないのが正直なところです。スタンダードな居住用定期借家契約が確立されないと爆発的な普及はないような 気がします。
この話題については今後も注視していきたいと思います。