家賃不払いの入居者を強制執行にて立ち退かせる 1997年11月
1 Jul 2000 初版/最終修正日 10 Aug 2000
立ち退き強制執行は最後の手段です。親父の代から40年以上やっていますが、強制執行に至ったのはこの件を含めて2件です。ここでは3LDK賃貸マンション1室の立ち退き訴訟・強制執行について、その手順、費用の面を中心にお話ししていきます。
家賃不払いによる「貸室明渡等請求」を弁護士に依頼しました。弁護士料は30万円程で、この他に多少の実費がかかります。着手金10万円を支払い訴訟開始。
家主側で準備するものはこれくらいです。
なお、弁護士さんによれば、2〜3ヶ月の家賃不払いでは裁判に持っていけないそうです。目安としては6ヶ月分の家賃不払いだそうです。これは借り主=弱者という考えから、家主からの立ち退き請求濫用をある程度制限しようということです。
普通は和解で決着する場合が多いんですが、今回は被告が1回も出頭しませんでしたので判決まで行きました。判決は以下の通りです。
判決文はある意味ではただの紙切れです。この判決では、家賃の支払いについては仮の執行をすることができるとありました。専門家ではないのですが、これはつまり財産があれば差し押さえしてもよいということだと思います。給料の差し押さえ、家財の差し押さえができるわけですが、家主さんも私も事ここに至っては物件の明け渡しが第一でした。なお、この時点では判決で明け渡しの仮執行宣言の申し立ては却下されました。
判決がでた後、私の方と被告の間で何回か話し合いがありました。明け渡しをいつまでに済ませるかという点をはっきりとさせたかったのです。被告は最初に約束した期日を守りませんでしたが、それでも1回は目をつむりました。この時点で家主さんと相談し最終的には強制執行もやむなしということになり、弁護士さんに立ち退き強制執行の手続きを依頼しました。
執行官による執行催告というのがあり、これは執行官が現場に来て調査と強制執行の予告をするわけです。病人がいるとか、ですぐの引越しが困難であると判断されると執行日が延期されるようですが、今回の場合は特段の事情もなく予定通り催告日から1ヶ月後に執行期日が決まりました。
普通ここまでくれば執行期日までに引っ越すと思いますが、それでもなかなか引っ越しませんでした。 いよいよ執行期日の3日前に弁護士事務所から電話で、「今なら運送会社他をキャンセルできるが、後はもうキャンセルはできない」と最終確認がありました。ここまで来ればこちらも腹をくくりました。
執行日には、執行官、鍵屋さん、そして運送屋さんがトラック10台以上20人以上でやって来ました。荷物は2時間足らずで全て運び去って行きました。荷物は1ヶ月指定の倉庫に保管された後売却されます。
これらの費用は本来被告が負担すべきものですが、これらの費用を被告に請求しても回収は難しいでしょう。ですから現実的には家主側が負担せざるを得ないということになります。
これは日本の裁判制度の批判になりますが、なんといっても時間とお金がかかります。正しいことを実行させる側が、金銭的にも時間的にも労力的にも負担を強いられるのが日本の裁判制度です。
なんとかならないんでしょうか?